わたしは自他ともに認める俳優・松村北斗さんのインタビューのオタクである。
そもそもインタビュー、というものが好きなのだ。スペースでエピソードをすぐに引っ張り出してくるので「辞書」というあだ名(?)がついたこともあるくらいには。長いこと仲良くしているリア友ジェシー担に軽く引かれたくらいには。
加えて、北斗くんがお芝居のことを話す言葉に触れるのが大好きだ。この、一万字近くなるだろうブログを書くことをさっくりと決心するくらいには。
これは、俳優・松村北斗さんが大好きな一オタク*1が2021年の彼のことを語る、ゆるい記録兼備忘録である。
話は2020年6月23日に遡る。映画『ライアー×ライアー』の情報が解禁された。森七菜さんとのW主演。本人的には意外だったであろう、ラブコメ実写化。そして2020年11月30日*2、SixTONESが「僕が僕じゃないみたいだ」で主題歌を歌うことが発表された。
2021年が俄然楽しみになった。
そして明けて2021年。北斗くんはじゃんけんを勝ち抜いてSixTONESの2021年のリーダーになり、なぜか生放送の番組でぬいぐるみの牛にキスをして、一年をスタートさせた。時をほぼ同じくして、怒涛の雑誌ラッシュもスタートした。
ここからは『レッドアイズ』『ライアー×ライアー』期間の雑誌やラジオで印象的だった言葉たちを抜粋しつつ語っていきたい。そもそもそれらの雑誌が「全勝してきます」ブログ*3のものであることは、最初に語っておきたいけれど。
「(オファーを受けて)「ラブ……コメ……?『え、松村北斗がラブコメやるんだ〜?』みたいな(笑)。どこか他人事みたいな感覚になっちゃって。『ラブコメの顔できますかぁ〜?』と自問自答してしまいました。」(CHEER vol.6)
人気の漫画が原作のラブコメ作品実写化W主演を今をときめく若手女優と務め、所属グループで主題歌を歌う。正直、アイドルとしてど王道である。間違いない。自分のことを「イケメン亜種」*4と形容したことのある北斗くんだけど、かなりの王道アイドルの面もあるんだよな、と『ライアー×ライアー』期間を見て感じる。
「(コロナ対策の中での撮影だったことに関して、それ特有の苦労もあったのでは、という問いに)それに関しては、僕ら以外の部署の方がすごく大変だったと思います。(中略)僕らがいつも通りの演技や仕事をするために、周りの方々が様々な制約を受けているんだろうなというのは、この作品に限らず、どの現場でも思うことですね。」(シネマスクエア vol.125)
現場での在り方、気の配り方について。耶雲監督とのラジオで話していたことが思い出される。
北斗くん「(耶雲監督を「耶雲さん」と呼ぶことから始まり、スタッフを名前で呼ぶことに関して)俳優部とそれ以外の部署の間に軋轢があるなって。それすごい寂しい。なんか横並びのはずじゃないですか。」
耶雲さん「まあ特に俳優部、俳優部って言うじゃないですか。(他の部に所属している人たちも)全員一つの部署の部員たちって思えば、全然対等だとは思うよもちろん。」
北斗くん「いろんな部が一緒に作っているって思うとちょっとこう俳優部だけ、まあ僕もこの世界に入る前ちょっと俳優さんのものってイメージあったんですよ作品って。でもなんかそうじゃないって入ってからわかるじゃないですか。だからなんか、監督って呼ぶのも、合ってはいるけどって思いがあって。」
(「TOKYO SPEAKEASY」2021年2月11日放送)
作品に携わる一人としての対等な目線を感じた。現場でスタッフさんに対して名前で呼びかけることを徹底していたことからも感じるその意識は、結果的に非常にクリエイティブな現場を作り出したそうだ。熱量が人を動かす、熱い現場。
「確かに、主演の場所にしかないような役もあるので、そういうものも経験したい気持ちはあります。でもこだわりがあったかというと、そういうことではないと思いますし、じゃあこれから主演級のものばかりを選り好みたいかといったら違うなと。(中略)俳優部という場所があるように、他にも部がいっぱいあって。みんな同じくらい高い熱量で作品作りに臨んでいる。」(BARFOUT! vol.306 2021年3月号)
「またこのスタッフとお仕事をしたい」と満面の笑みで話していた松村。それだけ、現場が充実していたということだろう。その充実感はしっかりと作品に反映されているし、何度も観て、何度もキュンキュンさせて欲しいと思える作品に仕上がっているのだ。(FLIX 2021年4月号)
自分はあくまで作品のワンパーツである、という話は以前からよくされている印象がある。お芝居のお仕事だけでなく、SixTONESとしてのお仕事にも、根底にはその考え方があるんだなあと彼の言葉に触れる度に感じる。
「(SixTONESでのパフォーマンスにおいて)周りに馴染むばかりがいいわけでもないですし、一番目立てばいいわけでもないですし。その場その場で何が自分にとって、グループにとっていいのかということを探して、できるだけ近づけると言う意味では、お芝居も同じだと思っています。」(CUT No.430 2021年3月号)
全てのパーツがより良く在り、機能することで、作品が良くなることを知っている。そして各パーツの連動が上手くいかなければ、それが作品にそのまま現れてしまうことも。同じ作品に関わる同志に対してリスペクトをもって接する姿はteam SixTONESの思想に通じるものを感じる。
「主題歌が流れてきた時にすごくグッときて。主題歌のタイトルとSixTONESって名前がエンドロールに出た時が一番うれしかった。結構SixTONESが好きなんです、僕(笑)。」(TVガイドplus vol.41)
実際に映画を観賞した身からしても、そのクレジットはグッとくるものだった。北斗くんは確かに「SixTONES」の一員であることを感じて、ジャニーズアイドルのお芝居に憧れて事務所に入った一人の少年の未来の姿として眩しいなと思ったことをよく覚えている。
「すごくうれしかったのは、「オレら、この映画でこの曲を歌えてマジで良かった」って言ってくれたこと。それがもう、何よりもうれしかった!ちゃんと本編を観て、最後に流れる曲を聴いた上での感想だから。ヘタしたら、今までメンバーといてあんなに温かいことなかったって思うぐらい温かかった(笑)。しかも、映画を観た日の夜中、ジェシーからわざわざまた「マジで最高だった!いい映画を観た」っていう連絡が来たんです。なんて言うか…こそばゆいなって(照)。」(TVfanCROSS vol.37)
www.youtube.com
この件についてはしっかりとここに記録されていて、それがとても嬉しい。ちなみにこの鑑賞会の後に行われた生配信*5でも、その柔らかな雰囲気を感じ取れる。
このYouTubeで個人的にグッとくるのは鑑賞会が終わって北斗くんが合流した時のあたたかくて甘くてふわふわとした雰囲気と、「以上、SixTONESと、透でした!」の部分。少しずつニュアンスは違えど、「SixTONES」は6人それぞれにとって帰る場所なんだろうなと感じる。
「お芝居に関しては、やっと職業としてのスタートを切れたような感覚はあります。今までは序章とか、前書きみたいな感じだったのかな。でも俳優としてはまだ孵化してないんですけどね。あ、これさっきも言いましたよね(笑)」(日経エンタテインメント!No.287)
これが序章や前書きなら、今後ますます目が離せないなと感じた。そして、後述のキネマ旬報のインタビューでは「松村北斗の本格俳優元年」と言わしめているのだから恐ろしい。
「(ラブコメが初経験であることに関して)大きな刺激になりました。まるで、いままで伸ばしたことがないところのストレッチをしているような感覚ですね。」(JMovieMagazine vol.67)
いろんなジャンルの役に挑戦することで視野が広がり、今まで見えていなかった「わからない」がわかるようになる、という表現をしていたこともあるし、それは言葉を変えると「いままで伸ばしたことがないところのストレッチ」になるのだろうと思う。また新たな、気づいていなかった筋肉に気がついて、そこをのばして鍛えていくのだろうと思う。バランスが取れた身体になるように、一つ一つ丁寧に鍛えていくのが想像できる。
思い出される出来事が一つある。2021年8月20日のMステの時、スマホを連打するタイプの投票企画があった。北斗くんは右利きなのに「左手で」連打をしていた。金スマで中居さんからもらったアドバイス*6を忠実に実行しているのを見て、努力の人なんだな、と感じた。そうやって、気がついたことや指摘されたことを一つずつ改善して、高みに登っていくんだと思う。
「はたから見たら大変だねってなるような忙しさも、『あぁ、ダメだ』って挫折することも、満喫しているんです。いろんな経験を通して、そういう職業に出会うことができるのが全員ではないというのが分かってくると、すごく幸せだなと思うし。適した職業につくことができたんだなって、今の段階では思っています」(TVガイドAlpha EPISODE MM)
「(お芝居の仕事をしているときの)自分のなかのサゲやアゲを心の底から満喫していて。『こんな幸せな仕事ってほかにないだろうな』ってことにここ数年でようやく気づいたんですよ。(中略)多分、自分は演技してるという状況が好きなんですよね。(中略)これからもできるだけ長くずっと演技の仕事をさせていただきたいと思ってます。」(T. No.43 2021WINTER)
自分ではない誰かの人生を生きることを満喫している北斗くん。個人的には、「ジャニーズ事務所所属のアイドルでSixTONESのメンバーの松村北斗」という役を生きているように見える場面が多々あるので、いつかその辺りの話も聞いてみたい。
俳優・松村北斗のファンとしてはずっと彼のお芝居を見ていたいから、今後も長く魅せてもらえそうなことが素直に嬉しい。今度はどんな作品に出るのかな、と期待を寄せながら日々を過ごしている。
余談になるけれど、『レッドアイズ』放送期間および『ライアー×ライアー』のプロモーション期間で印象的だったことの一つにNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』への出演発表*7がある。夕方にネットニュースを目にした時のあのゾクゾクする感覚は、きっとずっと忘れないと思う。
「この度、初めて朝ドラに参加させていただくことが決まり、本当にうれしいです。キャラクターとして演じる稔と僕自身は大きく違います。しかし、台本を読んだ段階からこの役を満喫できる確信がありました!皆さんの朝の楽しみの一要因になれれば幸いです。」(NHKホームページ*8
当時朝ドラに対しての知識がまるでなかったので、「いつか出てほしい」と訳もわからず言っていたことを思い出していた。どれだけ凄まじいことなのかはやっぱりよくわからなかったけれど、「北斗くんが嬉しいならわたしも嬉しいな」と感じたことはよく覚えている。
ヒロインがオーディションで決まることが多いのは聞いたことがあったので、北斗くんもオーディション受けたのかな、とか、よくわからないなりに色々想像を巡らせたりもした。*9
これ(『ライアー×ライアー』)でお世話になった耶雲さんには直接伝えたくて。朝ドラ、決まりました。朝ドラ…やっぱり演技をするものとしては通ってみたいなって思っていたところだったので嬉しくて。(「TOKYO SPEAKEASY」2021年2月11日放送)
発表からさほど間を置かず、期せずして本人の言葉をダイレクトに聴けた。それはとても嬉しいものだった。今になってみると、お世話になった人にきちんと報告する、その様をファンにも見せてくれるところに透くんに通じる素直さや稔さんに通じる誠実さを感じる。
少し月日が経って2021年4月27日。
2021年5月31日に
テレビ東京系列にて
仲間由紀恵さん主演のドラマ「女王の法医学〜屍活師〜」が夜8時に放送されることが決定し、ワンコ役は北斗くんだった。
*10
「これぞ仲間由紀恵」と言われる、説得力のある方だからこそ、僕も果敢に挑んで熱量の高い現場になればと思います。(SCREEN ONLINE*11)
法医学教室の女王様に振り回される
医学生役、という役。わたしは薄暗い講堂でのシーンがとっても好きなので、見たことがない方はぜひ2月19日の再放送を見てほしい(番宣?)
さらに時が流れて、2021年秋。何食べとカムカムの雑誌ラッシュが始まった。
「僕はまだこの世界では若くて経験も浅いので、何が正解かも分からずにやっているんですよね。あれは良かったかな、これはちょっと遠回りでうまくいかなかったかな…っていう繰り返しの中で、内野さんと共演させていただいた時間は、自分にとってはすごく勉強になった経験でした。」(シネマスクエア vol.130)
内野さんとの共演で学んだことは情報解禁当初から舞台挨拶まで一貫して語られていた印象で、それだけ大きな出来事だったのだろうと思う。
「自分の中で『こう演じる!』と決めてしまうと身動きが取れなくなってしまうこともあって……だから現場の空気に応じて臨機応変な表現をすることも大切。一緒のシーンが多かった内野聖陽さんは、やはり引き出しの多さも懐の深さも別格で。僕の中で役作りに対する考え方が大きく変わるきっかけとなる現場でした。(VoCE 2021年12月号)
わたしは一億円*12の北斗くんのお芝居が本当に好きなので、この撮影期間を経たことは確実に糧になったのだろうし、糧にできるだけの度量も努力量もあることが確信できて勝手に嬉しくなっている。
「本当は、現場に入った瞬間に100点の状態から始められるのがベストなんでしょうけど。でも、撮影中、吸収とアウトプットを繰り返し、必死で食らいついたつもりです。周りの方に、演じる時代の雰囲気がする顔つきだと言っていただき、絵は馴染んでいるのかなと。放送を見て自分でどう思うのか、楽しみです。」(an・an No.2273)
彼の話を聞いていると、稔という役を通して様々なことを発見し、演じることを楽しんでいるのが伝わってくる。ひとつひとつの作品の経験が積み重なって、これからもどんどん魅力的な役者になっていくだろう。(FLIX 2021年12月号)
北斗くんの「稔さん」としての佇まいや所作はパブサでもかなり話題に上がっていて、それを見るたびにとても嬉しくなった。「必死で食らいついた」北斗くんは、きっとその時代を必死に生き抜いた雉真稔という青年を本気で誠実に生きていて、それが端端から滲んでいたのだと思う。
「俳優としてまだ未熟ですが、未熟者なりに何かを見い出して、まだ僕のことを知らない方にも、僕を見て”この作品いいな”と思ってもらいたいです。それで作品に対しても恩を返せたらと考えていますし、さらに”この人、応援してみようかな”と感じてもらえたら、SixTONESのメンバーにも何か返せるのかなって。この現場を経験し成長してグループに帰ってこられたら、自分に対してもすごく意味がある場所だなと思っています。」(シネマスクエア vol.130)
実際に「稔さん落ちのスト担」誕生の様子をリアルタイムで見られて、「今だけ!!このツイートだけ*13 !!見て!!!!!!」という気持ちになった。作品やグループをとことん大切にする姿勢がとても好きだし、SixTONESは、グループは、北斗くんにとっての「帰る場所」なのだなと改めて思った。
僕自身は、自分がそのジャニーズのイメージにハマらないことを不安に思うこともなければ、イメージにハマらないことを不安に思うこともなければ、イメージに寄せようとも思わない。でも、「ジャニーズっぽさ」という基準が世間に浸透しているのは僕にとってはすごくありがたいですね。一般的なイメージとズレているのなら目立てますし、ハマらないことを逆手に取ることもできますから。(日経エンタテインメント!No.287)
「稔さんってジャニーズなの!?演技すごい」「ジャニーズは演技もできて歌も踊りもできるのか…」「最初はジャニーズか…と思ったけど、松村北斗さんが稔さんを演じてくれて本当に良かった。価値観が変わった」といったツイートたちを見るたびに、なぜかわたしまで鼻高々になってしまう*14のを許してほしい。だって、ジャニーズアイドルのお芝居に憧れてジャニーズになった人が受ける最高級に近い賛辞じゃないか。
そしてこれはTLで見かけて「ジャニオタとしてのわたし」としてすごく腑に落ちた感情ではあるけど、戦争をテーマにした作品を世に送り出し続けたジャニーさんは、きっと北斗くんが稔さんを演じ、結果として多くの若い世代が戦争について改めて考えさせられることになったことを喜んでいるだろうなと。
ところで。わたしは自他ともに認めるキネマ旬報の松村北斗さんのインタビューのオタクである。
在庫が見つからないと嘆くツイートにそっと在庫のURLを貼り付けたリプライをし、スペースで十数分を割いてキネマ旬報のインタビューが素晴らしい話をした。最後のあたりはもうそらで唱えられるくらい読んでいる。ここまでくるとちょっと狂気じみているかもしれない。自覚はある。*15
俳優デビューはジャニーズ事務所入所から3年後の2012年であるから経験はあるものの、(中略)俳優としての活動が相次いだ2021年は、"松村北斗の本格俳優元年"と言っても差し支えないのではないだろうか。(キネマ旬報 2021年11月下旬号より)
小牧要から始まり、高槻透、犬飼一、雉真稔、田渕剛。役の振れ幅に驚嘆したし、『レッドアイズ』と『ライアー×ライアー』、『カムカムエヴリバディ』と『きのう何食べた?」の同時供給にうれしい悲鳴をあげた2021年。間違いなく「本格俳優元年」と言えると感じた。
「グループ活動、個人活動、全てを本業と言える人を目指すべきだ、べきだというか、僕はそのスタンスでいるのが性に合ってるかもしれないと。なので、今グループ活動があって、個人活動…今お芝居を多くやらせてもらっているので。特に言うとグループ活動とお芝居というものをきちんと本業として捉えてやるべき。」(「今宵、ロックバーで」 2020年9月27日)
ツアーと並行して『レッドアイズ』『カムカムエヴリバディ』(おそらく『女王の法医学』も)の撮影準備と撮影をしている時期、そのツアーのステージ袖で満面の笑顔を見せてくれたのがすごく鮮烈で眩しかった。ライブの始まる直前、「あーやばい、楽しい!」と言っていて、*16この人はなんて全力でアイドルなんだろうって頭をぶん殴られたような衝撃を受けた。
北斗くんは俳優もアイドルも両方本業にしていきたいと、雑誌やラジオで度々明言している。その言葉を体現した姿があった。
「いや、今はあっぷあっぷ、です。新しいことや今の自分にはレベルが上のことが続く時期で。そうですね……あっぷあっぷです(苦笑)(中略)ただ、あっぷあっぷでもなんとかもつんだったら、やっぱり今のうちにやっておきたいことがいっぱいあって。……そういうモチベーションですかね」(「キネマ旬報」 2021年11月下旬号)
アイドルも俳優も全力で本業にしている、その状態は確かに「あっぷあっぷ」なのかもしれない。だけど、だからこそ、わたしは声を大にして言いたい。「忙しく働いてる姿、めちゃくちゃかっこいいよ」と。*17
「今のうちにやっておきたいこと」、それは例えば学生服を着ておきたい、とか具体的なことなのかもしれないし、もっと概念的なことなのかもしれない。それらを一つ一つ叶えて、こちらに見せてくれようとするその背中に、できることなら追い風を吹かせたい。無理でも、逆風にだけはなりたくない。そんなことを考えながら、このインタビューを読んでいた。
キネマ旬報のインタビューの核は最後の数段落にあると思っている。
望む俳優像を尋ねられ、
「(略)お芝居に限らず、あんまり決めないようにはしています」(同上)
と、これまでと一貫した答えを聞かせてくれる北斗くんに感服したし、その後の
と前置きしつつ、本心が溢れるかのように言葉が続く。(同上)
にふわふわした気持ちになった。これはきっと安心とかその類の気持ちなのだろうなと漠然と感じる。こちらに見せなくたって良いから、好きなものを好きなだけ想える環境であってほしい、これは傲慢な願いなのだろうか。
「(略)結局、信念や好みを自分の中にきちんと持っている、"人としてどうか"ということになるのかもしれないですけど、いくら閉じ込めても漏れ出ちゃうような、その人から香る何かっていうものをすごく魅力的に感じます」(同上)
この言葉を受けての最後の段落が本当に秀逸だし、わたしは何度読んでも前が滲んでしまうので、ぜひ読んでみてほしい。今後「俳優・松村北斗」を語る上で、欠かせないインタビューになる気がしてやまない。何年か後に新しく北斗くんを知った人全員に読み聞かせしたいくらい。
もう少しで『僕が僕じゃないみたいだ』のリリースや『ライアー×ライアー』公開初日から1年が経つ。まるで昨日のことのように感じる一方で、3年以上経ってると言われても信じてしまいそうな自分もいる。
そのくらい、濃密な一年だったんだと思う。
このブログをちんたら書いている間に、『ホリック xxxHOLiC』(通称:ホリック)や『恋なんて、本気でやってどうするの?』(通称:恋マジ)への出演が発表された。
Feel da CITY静岡公演で、カムカム、ホリック、恋マジの番宣をしている北斗くんを見た。宣伝しているどの役も黒髪で、でも北斗くんは茶髪だった。仕事以外で髪を染めることはないと話していたから、きっと期待していいんだと思う。爆速で進んでいく北斗くんの姿を2022年も見られることがとても嬉しい。
松村北斗さん、ジャニーズ事務所入所14周年、おめでとうございます。
お仕事に邁進してる姿、最高にかっこよくて輝いていて、大好きです。
あなたが健やかで、幸せでありますように。